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「葉もの」ラグと謎の作曲家

mapleb1 ラグタイム王の呼称をもつスコット・ジョプリンがMaple Leaf Rag を出版したのは1899年のことでした。Maple Leaf というタイトルは、ミズーリ州セダリアにあった社交クラブ Maple Leaf Club にちなんでつけられました。これが出版されて大ヒットしたあと、Leaf がタイトル名に入った曲がいくつか作られました。スコット・ジョプリンの作品中でそれにあたるものを年代順に並べると、1903年に Palm Leaf Rag パーム・リーフ・ラグ、1907年に Rose Leaf Rag ローズ・リーフ・ラグ、1908年に Fig Leaf Rag フィグ・リーフ・ラグです。葉もの野菜ならず、ジョプリンの「葉ものラグ」は、カエデ→ヤシ→バラ→イチジクの4種類ということになります。

figleaf1 これに追随して、他のラグタイム作曲家にも「葉もの」ラグがあるでしょうか? すると、Les Copeland (1887-1942) に Cabbage-Leaf Rag (1909) という作品がありました。また同じ年に Cy Seymour によって Clover Leaf Rag という曲が出版されています。二つとも、スコット・ジョプリンの「葉もの」が9年間にわたって4曲リリースされた直後の出版ということになります。ちょっと調べただけですが、もっとあるかもしれないと思ったのに、ジョプリン以外の「葉もの」で見つかったのは、この2曲だけでした(ごく最近の作曲は除いてあります)。キャベツの葉と、誰もが幸運の四つ葉を探したくなるクローバーの葉……。当然、ジョプリンの作品群を意識しての命名でしょうが、「葉もの」の流行はその後、それほど長続きしなかったのかもしれません(ほかにご存知の方がいたら、どうかご教示ください)。

ところで、 Clover Leaf Rag を作曲したCy Seymour という作曲家は謎の人物だそうで、他のラグタイム作曲家の別名かもしれないということです。T.J.Tichenor氏編纂の楽譜集 ”Ragtime Rediscoveries”(1979 Dover Publication) の前書きに、そう解説してあります。Cy Seymour は、ほかにPanama Rag (1904), Holly Rag (1906) をシカゴで出版しています。Clover Rag (1909) についてインターネットでMIDI音源を探してみましたが、躍動感あふれる正統派ラグという感じの曲でした。他のラグタイム作曲家だとしたら、一体誰なのでしょう? ラグタイム時代のことは、本場アメリカでもまだわかっていないことが多いし、研究がすすんでいない面もあるのかもしれません。

なんか、思いっきりマイナーな話題になってきてしまいました……。

"Professor Bill Edwards" 氏のサイトはラグタイムのコンテンツで充実しています。画像の使用を許可していただきました。Thanks to the following website on the use of sheet music cover pictures: http://www.perfessorbill.com/index1.html

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受信: 2005/08/24 23時40分

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