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ラグタイム曲のタイトルと植物 ― Botanical name in titles

ragpineapple01b1ラグタイムの曲名に植物名がついたものは少なくありません。しかもスコット・ジョプリンの曲に多いのです。Maple Leaf Rag がヒットしたのにあやかって、ということもあるかもしれません。また、ラグタイムのタイトルは曲が出来たあとで適当につけたものも多いと言われていて、あまり曲名を詮索しても意味はないのかもしれません。でも、後世の我々が楽譜のページをめくるとき、曲名や発行当時の表紙の挿絵はイメージをかきたてます。たとえ「適当につけた」タイトルでも、いや、だからこそ、その時代の雰囲気や人々の感覚を反映している部分があるかもしれません。

というわけで、遊びですが、ジョプリンの曲のタイトルから、明らかに植物名とわかるものを抜き出してみました。

Maple Leaf Rag (1899):カエデの葉。Maple Leaf Club という店名にちなんでつけられました。

Sunflower Slow Drag (1901):ひまわり。言わずと知れた夏の花。表紙には意匠化されたひまわりの絵があります。

Weeping Willow (1903):しだれ柳。日本の街路樹のしだれ柳の英名がまさにこれですが、表紙の絵を見ると、まるで椰子の木のようなもさもさの柳の木? でも、しだれ柳だと言われればそうかも。

Palm Leaf Rag (1903):椰子の葉。椰子の葉を単純に背景にした表紙で、南国ムードを感じさせます。

The Sycamore (1904):ポプラ(アメリカスズカケノキ)。日本でも都心の街路樹に多い木。なお聖書に出てくるエジプトイチジクと欧州産のシカモア・メープルも同じ語なのですが、表紙の絵は水辺に生える高木で、ポプラかと想像しました。違っているかもしれません。

The Chrysanthemum (1904):菊。表紙の絵は真ん丸の菊の花です。

Rose Bud-Two Step (1905):薔薇のつぼみ。もう開きかけの見事な薔薇の花のつぼみが表紙の中央にデザインされています。

Gladiolus Rag (1907):グラジオラス。熱帯アフリカ原産。この花が表紙の下に一列に並んでいます。

Rose Leaf Rag (1907):薔薇の葉。葉をつけた棘つきのつるが、表紙の上から下に垂れ下がっています。「つぼみ」の2年後に「葉」にしたのかな?

Heliotrope Bouquet (1907):ヘリオトロープ。ペルーやエクアドルの原産。5月ころに紫色の小花が咲き、香りが強いハーブ。花を観賞するというよりは、花束にして干してハーブとして利用するのでしょう。

Lily Queen-A Ragtime Two Step (1907):百合。百合の女王は何か意味があるかも。表紙は百合の花の中から女性が顔をのぞかせています。

Fig Leaf Rag (1908):イチジクの葉。聖書のアダムとイブのお話からの連想でしょう。表紙の絵は大きなイチジクの葉で体全体を隠したイブ?

Sugar Cane (1908):サトウキビ。表紙の絵は長い茎をかき分けながらサトウキビ畑の中を歩く女性。タイトル文字や罫線はサトウキビの茎をデザインしたもので、サトウキビにこだわったデザイン。

Pine Apple Rag (1908):パイナップル。大きなパイナップルが表紙の中央に。今日本で目にするものと比べて、葉のつけ根の部分がやせています。おいしそうで南国ムード満点。

以上14曲。手元に楽譜のあるジョプリンのピアノ曲51曲中から選びましたが、実に27パーセントのタイトルが植物関連ということになります。

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