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スクエア・ピアノーラグタイムを最初に奏でたピアノ

ナザレのPlangenteを練習しています。私はどうも「楽譜派」で、まず楽譜を見て弾き始め、ある程度弾けてきたところで、CDを聞くことが多いです。今日、CDを聞いてみようと探したら、ジョシュア・リフキンの演奏と池宮正信氏の演奏がありました。リフキンの演奏はゆったりとしたテンポで強弱も楽譜どおり、クラシック的なしっとりとした演奏でした。かたや池宮氏のは、速いテンポで軽快なのり、繰り返しの省略がある一方(CDの時間の関係?)、ちょっとしたアドリブも入っていました。こんな洒落た弾きかたもあるんだなあと思いました。

この違いは何か? ピアノの違いもあるだろうと思いました。池宮氏はなんと、スクエア・ピアノを使っているのです。スクエア・ピアノは、19世紀半ば、ドイツからわたってきたスタインウェイ一家の息子の一人が創作したものだそうで、20世紀初頭にわたって相当売れたそうです。池宮氏の解説によれば、スコット・ジョプリンが最初にピアノのレッスンを受けたのもスクエア・ピアノだったし、当時の居酒屋やサロンにあるピアノの多くがこれだったそうです。まさにラグタイムが最初に弾かれたピアノでした。

歴史的には、チェンバロ(とても繊細で音の強弱は出ない)と現在のピアノの中間にある「フォルテ・ピアノ」というものに構造が似ていて、デリケートでノスタルジックな音色をもっているそうです(池宮正信氏のHPに解説あり)。だから、今のピアノのように、派手な強弱は多分つけられないのでしょうね。また、CDを聞いただけの印象ですが、音色が硬いような感じを受けました。でもとてもレトロな味があり、ラグタイムの雰囲気にはぴったりです。しかし、現在のグランドピアノなどを弾きなれている人は、弾きにくいのではと思います(強弱の表現が制限されるなど)。ここでもう一度、池宮演奏とリフキン演奏を比較してみると、池宮氏もグランドピアノでは違ったPlangenteの弾き方をするかもしれないし、リフキンがスクエア・ピアノを使ったら、また違う演奏をしたかも、ということです。同じ曲でも、目の前にあるピアノの種類や状態によって、あるいはどう弾きたいかによって、弾き方やテンポさえ違ってくるということはあるのではないか、こんな想像をした次第です。

スクエア・ピアノの利点を想像すると、コンパクトで、ふたを閉めるとテーブルとしても使え(!)、値段も手ごろだったのでしょう。なんと、日本に現存する最古のスクエア・ピアノが神戸女学院にあるそうです。また、関東地区のお店に実物が展示されることもあるんですね。 「音楽生活」というブログを見て、びっくりしました。

もしそんな機会が訪れることがあったら、いつかスクエア・ピアノでラグタイムを弾いてみたいな、と思います。

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コメント

スクエア・ピアノに関して、楽しく読みました。
スクエアピアノなどという貴重なものを弾く機会はありませんが、
「グランドピアノ」「アップライトピアノ(黒)」「アップライトピアノ(小さめのインテリア調)」「デジタルピアノ」
の4種類は弾いたことがあります。
普段はデジタルピアノばかり弾いていますが、ラグタイムを弾きやすいのは
「アップライトピアノ(小さめのインテリア調)」だと思っています。
理由は鍵盤が軽めで浅めだからですが・・
ラゲディさんはどう思いますか?

投稿: 草野 | 2005/09/12 22時53分

私は手が大きくないので(8度はOKだが9度はきつい。10度は不可能)、浅いのは助かります。でも、インテリア調アップライトというのは、弾いたことがありません。ラグタイムは、オクターブが多く、ときに10度音程もあったりするので、鍵盤が浅いだけでずいぶん違うでしょうね。いい話を聞きました。今度どこかのショールームで試してみます。
家ではアップライト(黒)ですが、たいてい弱音レバーを入れてさらに弱音ペダルを踏み、なかなか思い切って弾けません(マンションなので)。デジタルピアノは弾きますが、譜読みを始めた曲の音取り用と割り切っています。
さて、グランドピアノですが、これはさまざまなグレードがあって把握不可能です。普通のグランドピアノと、フルコンといわれるグラントピアノは、まるで別の楽器のごとく違います。
発表会では、ヤマハやスタインウェイのグランドでラグタイムを弾いたことがあります。グランドピアノだとすごくダイナミックで、弾きにくいけれど魅力的です。とくにバード・コール・ラグなどはグランドで弾いてみたいです。一度ベーゼンドルファーを弾いてみましたが、音が華やかで(きらきらしている)驚きました。ショパンの愛した銘柄ということで、ジョセフ・ラムのいくつかの曲だったら、このピアノが向いているかもしれないと思います。
しかし、「弾きやすさ」でいえば、小さめで浅めの鍵盤でしょうね。スクエア・ピアノはいったいどうなんでしょうね。

投稿: ラゲディ・アン | 2005/09/12 23時48分

↑ベーゼンドルファーとあるのは、プレイエルの間違いでした。ベーゼンドルファーは、もっと落ち着いたピアノです。

投稿: ラゲディ・アン | 2005/09/13 06時25分

Re[1]:アーヴィング・バーリン ― IRVING BERLIN ―(09/09)

ラゲデ・アンさん
>ぞんなに長寿だったんですか。しかも楽譜が読めなくて全部F♯で作曲していたなんて! それにジューイッシュだったんですね。とても勉強になりました。
>「ホワイト・クリスマス」はビング・クロスビー(でしたっけ?)の歌声で、日本でも流行しましたよね。西洋音楽にはあまり興味のない母が、昔、クリスマスに歌ってみたいと言ったのを思い出しました。親族一同で歌った思い出があります。そのおかげで、歌の苦手な私も、この歌だけは今でも歌詞を全部そらんじています。
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思い出話ありがとうございます。

クリスマス・シーズンはとにかくワクワクして私は大好きです。クッキーを焼いたり、プレゼントを包んだり、心が弾みます。日本もこの時期もっと家族と過ごせばいいのに・・・と思います。アンさんの家庭はとても魅力的ですね。

投稿: 裕美・ルミィヤンツェヴァ | 2005/09/13 17時22分

池宮さんのCDを聴いて、アレェクスェイはかなりスクエア・ピアノに感動しておりましたので、機種やメーカーによっても音や質がだいぶ違う気がします。あとはメンテナンス状態ですね。

良い楽器に巡り合えれば、日々の過酷な練習も苦になりませんね。

投稿: 裕美・ルミィヤンツェヴァ | 2005/09/13 17時55分

鍵盤の浅いピアノ、ちょっと説明不足でしたが、「自動演奏機能付き」です。
おそらくその機能を付けたことで何ミリか深さが減っているのではないかと思います。
でもこれは弾いてみての感想なので実際そうなのかは不明ですが・・。

池宮さんのCD、買ったはずなのに見つかりません(涙)

投稿: 草野 | 2005/09/13 21時55分

裕美様
いつかAlexeiさんのスクエア・ピアノ演奏によるラグタイム、聞いてみたいです(私の夢)。よいスクエア・ピアノがあるといいですけど。
横浜の展示会にスクエアが出ることがあるんですね。川崎のお店には、今はもうないでしょう。でも、私もいつかこのピアノに出会えそうな予感がしてきました。

草野様
そうですか、自動演奏機能jつきだと、鍵盤が浅いのかも。とにかくいろいろな種類のピアノを弾いてみると、微妙な違いがありそうですね。
CD,見つけてくださいね~。

お二人へ
池宮さんのCDで、「ラプソディ・イン・ブルー」はお聞きですか? 収録曲のほとんどがスクエア・グランド・ピアノで演奏されてるんですが、オーケストラと合わせたラプソディ・イン・ブルーだけは、普通のグランドピアノを使ってます。

投稿: ラゲディ・アン | 2005/09/13 23時41分

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