« CD "Latin Travels 2" | トップページ | 小松亮太&タンギスツ »

ブラジル風タンゴ 曲目解説

これは、11月23日の某サロン・コンサートのための曲目解説です。ナザレのタンゴを2曲弾きます。

 タンゴというと、社交ダンスのタンゴやアルゼンチン・タンゴ、また現代タンゴの巨匠ピアソラ(アルゼンチン生まれ)のタンゴ曲などがよく知られているのではないでしょうか。しかし19世紀に誕生した初期のタンゴ、とくに初期の鍵盤楽器のためのタンゴは、あまり演奏されることもなく、知られていません。「ヨーロッパに渡って発展したコンチネンタル・タンゴに対して、本来のタンゴはアルゼンチン・タンゴである」という説明がよくありますが、ブラジル人によればタンゴはブラジルで1871年に誕生し、アルゼンチンより9年早かったそうです。
 ここで紹介するエルネスト・ナザレは、ブラジルの国民的音楽家で、生涯200曲ものピアノ作品を残しましたが、19世紀末から20世紀初頭にかけてタンゴのピアノ・ソロ曲を多く書き残しています。

<曲目解説>
オデオン Odeon (1910) :ブラジル風タンゴ。 リオの映画館「オデオン座」の映写用序曲として書かれた。冒頭の左手のメロディーは、ギターを模したものだという。
プランジェンテ Plangente (1922) : ブラジル風タンゴで、ハバネラ調。題名はポルトガル語で「悲嘆、悲しみ」の意。メランコリックな哀愁をを帯びたメロディーが特徴。

<作曲者>
エルネスト・ナザレ Ernesto Nazareth (1863~1934) 
               *クリックするとナザレの画像が見られます。
 
ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ生まれ。ピアニストで作曲家。幼少からクラシックピアノの手ほどきを受ける。ショパンをたいへん好み、ポルカやマズルカを作曲するが、1877年(14歳)に作曲したポルカがヒットして、ポピュラー音楽家として演奏・作曲を始める。
 1909年(46歳)、自宅近くに映画館「オデオン座」がオープンし、ロピーでピアノを弾き始めて評判となり、新聞などで「ブラジル風タンゴの王」とまで称されるようになる。また、1920~24年はオデオン座専属として無声映画の伴奏オーケストラとして関わるが、このときヴィラ・ロボスもチェリストとして参加していた。ブラジル風タンゴ、ワルツ、フォックス・トロット、ポルカ、その他多くのポピュラーソングを作曲し、その数は200曲以上にのぼる。ヴィラ・ロボスは後年、ナザレのことを「ブラジル人の魂の化身であった」と絶賛している。
 19世紀末のアメリカではラグタイムが生まれたが、同じ頃南米のブラジルやアルゼンチンでタンゴが生まれた。両者は、その系統・音楽形式・誕生時期などの共通点から「従兄弟」の関係と説明されることもある。そのため、ナザレのことをラグタイム王スコット・ジョプリンになぞられて「ブラジルのスコット・ジョプリン」と呼ぶこともあるが、これはあくまでアメリカサイドから見た呼称である。
 なお、フランスの作曲家ダリウス・ミヨーに組曲「ブラジルの思い出」(1937)があるが、これはミヨーがブラジル滞在時、ナザレのオデオン座での演奏に触発され、後年作曲されたものだという。

<参考>

__p1010346 p1010004asshuku

今日はなんとか弾くことができました。聞きに来てくれた皆さん、応援してくれた方々、ありがとうございました。来たついでにジョプリンを2曲弾いて参加してくれた真奈美さんも、ありがとう!

↑ナザレの楽譜。表紙絵のダンサーの後ろのピアニストは、おそらくナザレのつもりでしょう。

|

« CD "Latin Travels 2" | トップページ | 小松亮太&タンギスツ »

ピアノ」カテゴリの記事

ラテン・タンゴ」カテゴリの記事

コメント

久々に来たら、タンゴにサルサにと楽しかった。ヤマハのピックアップミュートは嬉しい情報です。トランペットのサイレンス版があるとは・・・。今はサックスを吹いてみたいなと思うけれど今週”天使にラブソング”を見たらきっとゴスペルをやってみたくなるんだろうなぁ~。
思ってるだけではなく、何か始めようっと。

投稿: kyokyo | 2005/11/13 17時52分

サックスといえば、たった今、サックス奏者・矢野沙織がゲストの番組(NHK教育「トップランナー」)を見終わったところです。高校生ジャズプレーヤーとして注目されていましたが、今19歳。すでに14歳のときから自分でライブハウスに電話して出演先を探したんだって。将来の夢はグラミー賞というから、すごい!
もしokyokyoがサックス始めたら、いつかデュオしましょ!

投稿: ラゲディ・アン | 2005/11/13 20時02分

ミニコンサート、無事に弾き終えたのですか。
良かったようで何よりです。
ナザレを曲目に選ぶ方はあまりいらっしゃらないでしょうから、目新しくてみんな聴き入ったのでしょうね。

投稿: 草野 | 2005/11/24 23時34分

なんとか無事に終わりましたよ~。人前だと、本当に普段どおりには弾けないです。浮ついてしまうというか。でも、いままで苦手と思っていたそのサロンのピアノ、初めて思うとおりの音量を出せました。
リハのとき、たまたまいらした先生に、一体それは誰の曲なのかと聞かれ、興味をもってくれたようでした。もう、うれしくていっぱい説明しちゃいました(笑)。「ナザレ布教活動」ですね。

投稿: ラゲディ・アン | 2005/11/24 23時55分

コンサート成功、おめでとうございます 私は昨日、視力がレーザー屈折手術で上がりました しばらく光がまぶしいです

投稿: sugou | 2005/11/27 21時03分

sugou様、無事に終えられたのですね。よかったです。もうメガネとはさよならでしょうか。
コンサートは終了ですが、この2曲、実はこれからと思ってます。1回コンサートなどで弾いて、そのあと手慣らしに弾いていると、ようやく曲に本当に馴染んでくるような気がします。以前に弾いたボヘミア・ラグも、今ようやく馴染んできたところです。

投稿: ラゲディ・アン | 2005/11/27 21時36分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/123768/7063946

この記事へのトラックバック一覧です: ブラジル風タンゴ 曲目解説:

« CD "Latin Travels 2" | トップページ | 小松亮太&タンギスツ »