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American Beauty Rag  曲目分析

AmbeautyAmerican Beauty Rag (1913)

さて今日は、ビル・エドワーズ氏のサイトの曲目説明を、マジに読んでみました。それによると……。

 概して、スコット・ジョプリンは4小節ひとまとまりのメロディー、ジェームス・スコットは2小節ひとまとまりで作曲する傾向が見られるのに対して、ジョセフ・ラムは8小節ひとまとまりで作曲という特徴があるそうで、それがこの曲で確立されたのだそうです。

 たしかに、冒頭からのAセクションのメロディーは、息が長いのです。8小節が終わるまで、ひと続きのメロディーです。その中にも、両手の相互作用でいくつもの要素が導入されていると書かれています。ここは、音が飛んで一見むずかしそうですが、弾きなれてしまうと実に楽で、表現も自由にできて楽しい部分です。

 さて、Bセクションは、ジョプリン的なアイデアをうまく実現したものだそうです。ここは、私の最も苦手とする部分。とっても初歩的問題なのですが、音が飛ぶ場所で右手がついていかない……。ぶちぶちに切って弾いたほうが弾きやすいのですが、そうすると音をはずす――本当に難しい部分です。

 Cセクションに移る前に間奏が4小節ありますが、この部分でテンポを少し早めるのだそうです。ジェームス・スコット的アプローチと言っています。 

 Cセクションはトリオです。しかもいままでとガラッと雰囲気が変わって、スイング風の動きになります。この部分をビル氏は、ジェームス・スコットの影響がさらに強められていると書いています。ここは弾くのが本当の面白い部分で、この曲のクライマックスです。しかも、楽譜に書かれていますが強弱が極端なのです。思いっきり鳴らして、思いっきり弱めて……、と表現できます。シンコペーションの面白さの極意がここにあるといっても過言ではない、そんな部分です。

 最後のDセクションですが、ここは、ディミニッシュコードを効果的に用いて、ジョプリンのPine Apple RagのDセクションのアイディアをさら展開させたものだそうです。ここも最初は弾きにくかったのですが、やっと慣れました。耳で聞いていると、この部分の冒頭4小節の、右手と左手の相反する動きのコントラストは、実に心地よく面白い部分です。

 さてこの曲の題名のAmerican Beautyですが、バラの品種の名前でした。長いこと疑問に思っていたのですが、今日思いついて調べてみてわかりました。だから、この表紙なんですね。映画にAmerican Beauty(1999)がありますが、これにも深紅のバラがたくさん登場する模様。ただ映画ではバラは暗喩みたいで、「アメリカ人の美しい、あるべき姿」と現実との落差が描かれているらしい……。これから映画を見てみたいと思います。
 しかし、ジョゼフ・ラムのこの曲では、表も裏もないですね。ひたすら、美し国アメリカと美しきバラを連想させる、本当に華やかな曲です。

 画像もビル・エドワーズ氏のサイトからお借りしました(去年、快諾をもらいましたが、ビルさ~ん、すみません、また使わせてくださ~い!)。

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コメント

Joplinは4小節、Scottは2小節、Lambは8小節ですか。
全く気づきませんでした。興味深いです。
これから少し気にしながら色々聴いてみようと思います。

投稿: 草野 | 2006/04/04 22時25分

草野さん、どうも~。
そう、ラムの曲のフレーズは、息が長いんです。

ところで、ビル氏のサイトは今つながらなくなっています。

JRCの参加曲は、決めましたか?

投稿: ラゲディ・アン | 2006/04/04 22時51分

ビル氏のサイト、いまクリックしたら繋がりました。
JRCの参加曲は一応登録しましたが、どうもノーミスで演奏できずにヘコんでいます。
録音イップスというか、最終的に許容範囲の中で録音できた曲を提出することになりそうですね。

投稿: 草野 | 2006/04/05 20時46分

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