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ラグタイム―デヴィッド・トーマス・ロバーツの楽譜

_p1010072_1 昨日からの続きです。

能書きはともかく、私はラグタイムの中のラテン要素にとても魅力を感じています。スコット・ジョプリンにSolaceという曲があり、メキシコ風セレナーデという副題があるいように、ハバネラのリズムを持っています。そのため、ラグタイム曲に分類されないこともあります。テラ・ヴェルデもその流れを汲むものだと言えます。ぞくぞくするようなラテンリズム。しかし聞いているとラグタイムにも聞こえます。ソラースも同様です。これはもう、俄然、自分で弾きたくなってしまいます。

 というわけで、David Thomas Robertsの楽譜集を取り寄せました。
「David Thomas Roberts Ragtime Compositions vol.1」(1992)
「David Thomas Roberts Ragtime Compositions vol.2」(1996)
「David Thomas Roberts Ragtime Compositions vol.3」(2000)
それぞれ、8~9曲が収録されています。

 ラグタイム曲の構成というのはだいたい決まっていて、楽曲分析するとABACDのような形で構成され、ABCDそれぞれに繰り返し記号がついて、全部で4ページ、というのが常套的です。ところが、上の楽譜はとにかく分量が多い! 一曲5~6ページから8ページ、中には12ページのものもあります。それは何故か?
 繰り返し記号がないからです。同じA部分でも繰り返しのときは微妙に変化があり、また「ossia」の指示記号とともに、2通りの弾きかたが併記されている部分もあるのです。アドリブ的要素もすべて書かれているというか、完成されている、というべきでしょうか。
 ジャズ・ピアニストや、自分でアレンジをしながら弾く人には面倒な(?)楽譜かもしれませんが、クラシック・ピアノから入る人にとっては、この上なくありがたい楽譜です。 
 だから、譜読みが面倒という印象がある割には、いざ弾いてみると意外に弾きやすかったりします。彼の音楽に魅力を感じた方には、ぜひおすすめです。

 それから「おまけ」で楽しいのが、表紙の絵です。ロバーツ氏は作曲家・ピアニストであると同時に、詩人・絵描きでもあって、そのオリジナルの絵なのです。絵はCDジャケットにも見られますが、どれもシュール・レアリスムな魅力にあふれる絵です。
 第1巻と第3巻の絵は、ゆがんだ家や道が書かれていますが、これを見て個人的には、マザーグースのThere was a crooked manを思い浮かべてしまいました。     

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