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Humpty Dumpty Rag(1914)             ―ラグタイムの中のマザーグースその1

_humpty_dumpty_ragfull 何でもありのラグタイム曲のタイトルですが、マザーグースがテーマのものは、意外に少ないような気がします。
そんな中で、これは異色。マザーグース絵本によく描かれているような、塀に座るハンプティ・ダンプティの絵が表紙です。背後の山の上に見えるのは、王様のお城でしょう。

作曲者はCharley Straight(1881~1940)。シカゴ生まれ・シカゴ育ちのピアニストで、オーケストラのリーダーもしていました。この曲は33歳のときの作品です。出版社はニューヨークのM. Witmark & Sons。表紙デザインは、André DeTakacsで、左下にサインがあります。

タイトルに「The Great Fox Trot ―Humpty Dumpty ―Novelty Rag」とあるように、ノベルティ・ラグとあり、曲はフォックス・トロットです。まだ曲を弾いてみていないので全容は書けませんが、ニ短調で始まり、符点音符の羅列という感じの楽譜です。ハンプティ・ダンプティというと、欧米人の頭の中には必ず、その悲惨で(?)滑稽な運命のイメージがあります。やはりそれを暗示したような出だしですが……。

ハンプティ・ダンプティは、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』にも出でくるのでよく知られていますが、マザーグース(英米童謡)では「謎かけ」の詩でもあります。

Humpty Dumpty sat on a wall
Humpty Dumpty had a great fall
All the king's horses and all the king's men
Couldn't put Humpty toghether  again

というのが歌詞ですが、このあとに「私は誰でしょう?」と書いてある絵本もあります。
答えは「たまご」。つまり、塀から落ちた卵は、王様の軍隊をもってしても元には戻せない、というわけです。塀の下に割れた卵が書いてある、ちょっとグロテスクな絵本まであります。

歌詞を書いていて気づきましたが、
”The Great Fox Trot”というサブタイトルは、
2行目のGreatというコトバを意識したものでしょうね。

楽譜や表紙を直接見たい方はこちらへ。http://webapp1.dlib.indiana.edu/sheetmusic/starr.do?c=01&p=2&id=LL-SSM-ADD2834&s=screen

また、MIDI音源はこちら。この曲が聴けます。(8月21日追加)
http://www.trachtman.org/rollscans/RollListing.php?showpage=8&sortby=title

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コメント

これは私が中学生のときに英語の教科書に出てきました。
不思議の国のアリスのお話でした。
ラグタイム曲、よく見つけましたね。さすが!!!

投稿: 裕美・ルミィヤンツェヴァ | 2006/08/19 21時53分

 インディアナ大学のライブラリーも、ラグタイム譜がとても充実していますね。ラグタイム曲のマザーグースものは、アメリカなんだから絶対あると思っていたのですが、結構ないのですよ。


    やはりこの時代は、マザーグースは白人文化なのかしら。作者のチャーリー・ストレイトは白人ですが……。それとも、あまりに「お子様風味」なのでオトナの音楽には取り上げられなかったのかも。アガサ・クリスティなどのミステリーには積極的に取り入れられているのにね。ご存知かもしれませんが、英語圏の表現に時折現れる「all the kingsmen」も、このリドルから来ています。


    『不思議の国のアリス』が出ていたとは、いい教科書ですね。私はいつどこで見たのか覚えていませんが、図書館で借りた本かしら。ハンプティ・ダンプティ、なぜかとても好きです。

投稿: ラゲディ・アン | 2006/08/19 22時55分

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