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ニュー・オーリンズ被害から一周年        ~ニュー・オーリンズの光と闇を表現したピアノ組曲

ハリケーン・カトリーナが米国南部を直撃してから今日でちょうど一周年。ニューオーリンズ市では一千人以上が亡くなり、追悼式典が開かれるそうです(米国時間のリアルタイムでは、これからでしょう)。

あのハリケーン被害で、ニュー・オーリンズの闇が世界に暴かれました。世界で最も進んだ先進国の中で、貧困層がどんな境遇にあり、どんな待遇を受けたか……。一年経って、依然として復旧は進んでいないそうです。

Newoss 奇しくもデヴィッド・トーマス・ロバーツの作品に、ピアノ組曲『ニュー・オーリンズ・ストリーツ』があります。このライナーノートを見ると、この街の醜い部分についての深い憤りが表明されています(とっても難解な言葉で。翻訳の浜田さん、本当にご苦労さまでした)。また、男は侵略者・女は受容者というような古典的な性別概念への嫌悪も、この曲集の発想の大きな原動力になっているようです。

単に、ジェリー・ロール・モートンや初期ニュー・オーリンズ音楽への郷愁として作られたのではなく、作曲された1981~85年当時のこの街の社会的矛盾を、深く感じての作品だったことを、今日初めて知りました。ニュー・オーリーンズの光と闇――これが、このCDにすでに表現されていたのです。

昨年のハリケーン被害を、デヴィッドさんはどのように感じていたことでしょう。最新作CD『ディスカバリー』収録の「フレデリックと湾岸」(1979)という曲は、79年のハリケーン「フレデリック」で被害を受けたカンザスシ・ティに足止めされて、荒廃した様子を目の当たりにした印象から作られたハバネラ作品です。デヴィッドさんに、ニュー・オーリンズへの思いを聞いてみたい気もしますが、きっと英語がむずかしいだろうな~。

今日・明日は、『ニュー・オーリンズ・ストリーツ』の序曲「Introduction」の譜読みをして、ニュー・オーリンズに思いを馳せ、昨年の洪水被害を追悼したいと思います。

この曲、結構弾きやすいです。それにモートン節風のフレーズもいっぱい。モートン大好きの人だったら、絶対わくわくしますから、おすすめですよ!!!

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