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スコット・ジョプリン「エンターテイナー」の弾き方

_llsdv0420640101screen ラグタイムを弾き始めた最初の頃から"The Entertainer"を弾いていますが、
なかなかうまく弾けないでいました。
ハ長調なので、右手の和音の連続が厳しい……。
ちょっと練習しないでいると、きれいに弾くのがむずかしいのです。
(低次元の話題ですみません……)

先日、ドラムと一緒にこの曲を合わせてみて、新発見がありました。
リズムが一定していると、とても弾きやすいのです。
一人で弾いていると、どうしても右手のメロディーに引きずられて、
基本的な左手のリズムが甘くなるのです。
それがドラムと一緒だと、弱い部分を気づかせてくれ、しかも補ってくれるのでした。

もうひとつ、発見をしました。
弾きにくいと思っていた右手の和音の連続ですが、
指使いを変えるだけで見違えるほど楽になりました。
オクターブの連続部分、
従来は自己流でほとんど「1・5」の指だけで弾いていたのですが、
「1・4」と「1・5」を適宜、交互に組み合わせることで、
劇的に弾きやすくなりました。
3つの和音がある場合も、「1・3・5」と「1・4・5」を組み合わせる……、
これで、ずいぶん違います。
それから、すべての和音に力を入れるのではなくて、
経過音の和音は、力を抜いて軽く流す……。

その人の手のサイズにもよるかもしれませんが、
私のサイズはオクターブまで。9度は無理すればいきますが。10度は完璧不可。
でも、ラグタイムを弾いていたせいか、
知らないうちに「1・4」のオクターブは苦痛でなくなりました。

これに気づかせてくれたのは、ピアノ・レッスンです。
別のラグタイム曲を見てもらっているときに、
オクターブの運指を指摘されました。
そのテクをエンターテイナーに当てはめてみたらバッチリでした!

もし、エンターテイナーの演奏で悩んでいる方がいたら、
是非、研究してみてください。

いずれにしろ、この曲は早く弾きすぎないことです。
これは、作曲者のスコット・ジョプリンも、すでに指摘しています。
よく知られたあのテーマの部分も、
少しルバートをかけるくらい、思わせぶりたっぷりに弾くくらいで、
ちょうどいいのではないかと思います。

楽譜はやさしく編曲したものもたくさんありますが、
スコット・ジョプリンが1902年に作曲したそのままの楽譜をおすすめします。
この時代のクラシックなラグタイムには楽譜があり、
演奏上の記号などから、作曲者の意図を読み取ることもできるので……。

●国内版だと、ドレミ楽譜出版社の『スコット・ジョプリン ピアノ名曲集』などがおすすめです。ジョプリンの「ラグタイム講座」の翻訳も収録されています。映画『スティング』(1977)に出てくるスコット・ジョプリンの曲のオリジナルも、すべてここにあります。
●また、全音からも『スコット・ジョプリン:ピアノ・ラグタイム曲集』が出ています(http://www.zen-on.co.jp/disp/CSfLastGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=907&KEY_SEARCH)。

●やさしいアレンジ集なら、このようなものも。左手の伴奏が楽です。でもこの楽譜は今は品切れかもしれません。
『やさしく弾けるラグ・タイム ピアノソロアルバム』(kmp出版)
http://elmtree.air-nifty.com/ragromenade/2005/08/post_ade5_1.html

●オリジナルの楽譜〈1902年出版)は、このインディアナ大学図書館のサイトから、ダウンロードできます。上の写真は、出版当時の「エンターテイナー」の楽譜の表紙です。(http://webapp1.dlib.indiana.edu/sheetmusic/devincent.do?&id=LL-SDV-042064&q1=LL-SDV-042064&sid=e895a93d9507f5cad3cef53cd5b30beb

(楽譜情報は、2006年9月24日追記)

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コメント

今度のオムニバスにEntertainarを提出してますけど、超有名な曲だけに実は心配です。
浜田さんがリクエストしなければこんな無謀なことはしなかったと思いますが、日本でのラグタイム普及のきっかけになればと思って頑張りました。1・4のオクターヴはあまり使いませんね、でも慣れれば1・5より弾きやすいと思います。

投稿: 草野 | 2006/09/23 20時46分

マニアはついつい走ってしまいがちですが、多くの人に馴染みのある曲というのは、大切ですよね。お役目ご苦労さまでした。
「1.4」のオクターブは、手の大きさがある程度以上の人は、必要ないのかもしれませんね。私の場合は目からウロコ。オクターブの連続局面で、黒鍵のある場合などは、もう「使わにゃ損、損~」という感じです。今までの弾いた曲もその視点で弾き直してみると、とても楽に弾けそうな気がしています。いずれにしろ、練習して慣れないとダメですが。

投稿: ラゲディ・アン | 2006/09/23 23時17分

自分ではとても心地よい速度弾きましたが、たぶん、ラゲディさんの耳には「走ってる」と聴こえるかもしれません。その時はご容赦を。

投稿: 草野 | 2006/09/24 21時10分

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