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ケーク・ウォークの映像

 アメリカのダンスの歴史を紹介するサイトで、ケーク・ウォーク(Cake Walk)の映像リストに、映画『桑港(サンフランシスコ)』(1936)の名があったので、VHSやDVDを探しました。
http://www.streetswing.com/histmain/z3cake1.htm

 最寄のレンタルショップにはなくて、結局、DVDをネット注文(980円也)。この時代の映画で出回っているものは本当に少ないようですが、クラーク・ゲーブル主演なので、かろうじて生き残っていたのかもしれません。クラーク・ゲーブルの名を一躍知らしめた映画『風と共に去りぬ』も1936年の公開で、なんと同じ年の映画のようです。

 舞台は、1905年のサンフランシスコ。当時世界一の港といわれ、活気に満ちています。しかし、1906年4月18日には、歴史にも残る「サンフランシスコ大地震」が起きて、壊滅状態になるのです。その日をはさんだ数ヶ月を、街のクラブ経営者、歌姫、牧師、有力者などをめぐる人間模様とともに描いています。セントルイスではスコット・ジョプリンが活躍していた時期です。またジョセフ・ラムのお兄さんは、このときサンフランシスコにいたのです。まさにラグタイム全盛期が背景。この時代を描いた映画は少なくて、いろいろな意味でレアです。

 ケーク・ウォークが出てくるモンダイのシーンは、始まってから1時間24分ほどの場面でした。「チキン・ボール」(鶏の舞踏会)という賞金1万ドルのコンテストがあり、ボードビルやお笑い、歌手など、各方面の芸達者が出演します。その冒頭のシーンが、正装した黒人の男女が何組も踊るケーク・ウォークでした。ペアで、ラインダンスのように足を交互に高く上げ、同時に背中をそらし、リズミカルに踊ります。見れば一目瞭然、真似るのもそんなにむずかしくなさそうなステップでしたが、とても特徴的な動きでした。音楽は、いかにものケーク・ウォークのリズム。何の曲だろうか。オーケストラが演奏していました。

 音楽的に興味深かったのはもうひとつ。街一番のクラブ「パラダイス」で歌手として雇われた女性メアリーは、本来はオペラ歌手希望ですが、昼間の酒場で素晴らしい歌声で練習をします。クラブのバンド指揮者でピアノ弾きでもある「プロフェッサー」は、彼女の才能を生かすようなゆったりしたクラシック風のメロディーで歌わせているのですが、経営者のブラッキー・ノートン(クラーク・ゲーブル)が聞きとがめてやって来ます。そして、プロフェッサーをピアノの前から追いやって、立ったまま自らピアノを叩き、ラグタイム風のストライド演奏の見本をみせるのです。そして、「ここはサンフランシスコだから、こういう音楽をやるんだ」みたいなことを豪語。プロフェッサーも雇い主に逆らうわけにはいかず、音楽のテンポが上がるのです。クラシックが主流で、ラグタイムは新しい音楽だった雰囲気、それをまさによく表すシーンでした。

 地震の様子を描くシーンは大掛かりで、派手で、さすがハリウッド映画。地震のすさまじさをよく伝えていました。また、ストーリーの予想される結末も、予想通りながらちょっと感動的で、ほろっとします。地震の救護所を描く不安で暗いシーンのバックに、明るいケーク・ウォークのリズムが使われていたのは、妙に効果的でした。

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コメント

リンク先の絵でケークウォークの雰囲気が伝わってきますね
時代背景も興味深い内容です
DVD、アマゾンで探したら最安値1600円でした 980円とは安い

投稿: 草野 | 2007/01/20 14時25分

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