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Maple Leaf Rag Song(1904)

Maple_leaf_song_1 Scott Joplinの「Maple Leaf Rag」(1899)には、歌つきのバージョンがあります。かねがね、どんな楽譜なのかと思っていましたが、あるサイトで見つけました。

出版は、オリジナル出版5年後の1904年です。
楽譜の中身を見比べてみました。

オリジナルははキーがA♭ですが、 「ソング」はE♭です。
歌詞があるのは最初のテーマ(A)の部分のみで、
簡単な伴奏がついています。
そのあとに1ページ、BとDの部分のピアノ譜のみがあり、
「Dance」とあって、「どちらか、あるいは両方のストレインはダンスに使うとよい」と書かれています。
なお「ソング」にはC部分はありません。

つまり、歌つきのダンス音楽の楽譜。
最初にちょっと歌って、 あとはダンス音楽として好きなだけ繰り返して使えるようにという構成のようです。

Maple_leaf_song_3 ところで、この1904年の「ソング」がジョプリンの編曲かどうかということについては、 疑いがあるようです。

ジョプリン研究者のバーリン氏は、
ソング版(1903)はオリジナル版(1899)に比べて、
ハーモニーやヴォイシングの点で劣っていると指摘。
(減7和音が、陳腐な3和音になっていたり)
ジョプリンは、こういうことに抜群のセンスがあったので、
ソング版は意図的に劣る編曲にした可能性もある、と。
さらに言えば、この編曲はおそらく誰か別の人物がしたのではないか、と書いています("King of Ragtime", P132)。

また、ラグタイマーにしてラグタイム曲の解説にも詳しいのBill Edwards氏のサイトをのぞいてみたら、この時期はスターク出版とジョプリンに確執もあったし、内容的にもジョプリンの編曲とは思えないと書いています。しかも歌詞の内容が人種差別的だったことなどもあり、この曲は歴史に埋もれてしまったのだろうと。

なお、バーリン氏によると、歌詞を書いたSydney Brownは、 スターク出版のオフィス・ボーイだったとか。
歌詞の内容は、こんな感じでしょうか?

ヴァージニアの田舎から身一つで出てきた男が、
Maple Leaf Ragのダンスパーティに遭遇、
ずり落ちそうなズボンで踊るものの一躍脚光を浴び、
男たちの嫉妬を買い、ご婦人方には囲まれ、
最後にはピカ一の美人と二人、馬車でおさらば~♪
意味不明な単語や部分もあり、想像で補っています。

演奏する上では、
ビル・エドワード氏がいいことを書いてます。
つまり、ゆっくり演奏すること。
そうでないと、歌詞を言い切れないです。

それから、やや単純すぎる伴奏の編曲については、
オリジナルを移調して伴奏に利用すれば、
もっと生き生きとしたものにもなるだろうな、と思います。

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