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Ernesto Nazarethと「Dengoso」

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ブラジルの作曲家エルネスト・ナザレ(1863~1934)の「デンゴソ」という曲の楽譜を、手に入れました。1914年の出版で、アレンジはArthur Lange。
アメリカで出版されたピアノ譜です。
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ナザレは「ブラジルのショパン」とも、「ブラジルのスコット・ジョプリン」とも、
また「ブラジルのタンゴの父」とも呼ばれる音楽家で、200以上の作品を残しています。
アメリカで2拍子のラグタイムが発生した同じ頃、
ブラジルのリオデジャネイロでは、2拍子のタンゴが生まれたと言われています。
(アルゼンチンよりもタンゴの発生が数年早いというのが、ブラジル人の説!)
ナザレには、哀愁を帯びたしびれるようなタンゴの小品が数多くあります。
一方、ショパンを思わせるような美しいワルツも。
スコット・ジョプリンとは5歳違いの同時代人……。
アメリカのラグタイムには、スコット・ジョプリンの「Solace」をはじめ、
中南米音楽のリズムを取り入れたものもあり、
その影響は想像以上に大きかったのではと思われます。
アメリカの現代ラグタイム作曲家からは、
エルネスト・ナザレは特別な尊敬を受けています。
CDに収録されいてるピアノ曲も、数多くあります。
その割りに、日本では知られていません。
ピアニスト舘野泉さんが弾いたアルバムがありますが、
舘野さんは日本人ながら、フィンランドをベースとする音楽家です。
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私がナザレを知ったのは、ジョシュア・リフキンのアルバム「Rag and Tango」でした。
James ScottとJoseph Lambのラグタイム曲に混じって、
ナザレのピアノ曲の美しいナンバーが、
何の違和感もなく並んでいて、一気に魅了されてしまいました。
その後、ナザレが弾きたくてナザレの楽譜集を可能な限り手に入れたのですが、
ナザレには未出版曲も多いそうで、
まだまだブラジルの図書館なりに個人宅なりに埋もれている曲が多いかもしれません。
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そうした中、「Dengoso」を知ったのは、
ラグタイム時代(19世紀末から1920年くらいまで)のダンスのジャンルに、
「maxixeマシーシュ」というものがある、ということからでした。
このマシーシュの曲のひとつに、「Dengoso」が挙げられていたのです。
映画「カッスル夫妻」(1939)の中でも、バーノン&アイリーン・カッスルが踊る場面で、
この曲がオーケストラ演奏されています。
2拍子でサンバのようなリズム?
http://www.youtube.com/watch?v=7nFnecYsD3A
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この「Dengoso」という曲、
今まで、どのナザレの楽譜集にも見かけなかったのですが、
運よく、上の写真の楽譜を見つけることができた次第です。
これは1914年の出版で編曲者名が書かれていますが、
Dengosoは1907年の作とされている場合もあり、
1907年の楽譜がどんな形態だったのかは、私としては今後の課題です。
また、この記事を書くために、Wikipediaを見てみたら……。
Dengosoには(atribuída a Nazareth) と付記されていました。
「ナザレの曲とされている」!?
ナザレ作と確定していないということなのでしょうか。
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さらに、この楽譜、カラーの表紙では「Dengozo」と書かれていますが、
楽譜の冒頭でのスペルは「Dengoso」です。
他の記述からも、「Dengoso」の方が正しそうです。
英訳すると「affected」だそうで、「影響された」?
「深く感動した」「悲しみに打ちひしがれた」「きざな、気取った」などの意が英語ではありますが、さて、ポルトガル語ではどんな語感なのでしょう?
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さて、楽譜を実際に弾いてみると……。
この時代の大判の楽譜は、本当に大きい!
ピアノの譜面台に立てると、ちょうどアップライトの蓋の下ぎりぎり。
というか、ピアノの設計がこのサイズの楽譜に合わせてあるのかもしれません。

ヴィンテージ楽譜は相当もろくなっているので、弾くには複製が必要です。
しかし、コピーするにも相当気をつかいそう……。
そこで撮影することにしました。
jpegファイルをA4に印刷して、very good!
これで弾いていきたいと思います。

曲はうきうきするような陽気さで、悲しい感じではないです。
左手のリズムは、ナザレのタンゴ「オデオン」のBセクションと同じパターン。
これ、なかなか忙しいのですが、楽しく弾いてみたいです。
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1914年は、日本では大正3年。
この時代のカラー印刷は、独特の色調があり、
アメリカのものも、日本のものも、どこか共通するものを感じます。
ラグタイムのオリジナル楽譜も少し集め始めましたが、
書籍やネット上で見るのと、実物を見るのとでは大違い。
多少ボロボロでも、その色、質感、斬新なデザイン、
どれもこれも、魅了させられてしまいます。
「Dengoso」の表紙は、何を描いているのでしょう。
水たまりと花?
これが何か想像するのも、また課題です~♪
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本日、改行が出来ずにエラーとなってしまうため、
罫線を入れました(汗)。

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