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映画「ベンジャミン・バトン」とラグタイム

「おくりびと」がアカデミー賞外国語部門で受賞して話題になっていますが、 美術賞など三部門を受賞した「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」に、 スコット・ジョプリンの曲が使われています。 Granpa's Spellsさんから情報をいただき、さっそく見てきました。

おお!これは、すごい! 舞台が始るのは1918年のニューオーリンズ。 終戦に湧く町に流れるのは「聖者が町にやってくる」 そして生後すぐの主人公が捨てられる施設から聞こえてくるのが、 優雅なピアノのラグタイム……。これがスコット・ジョプリンの、 「Country Club」~「Elite Syncopations」~「The Chrysanthemum」 おおお~、豪華!

これだけでもラグタイム好きには堪えられないのに、 施設に入居している老婦人から主人公が習う曲、 それがジョプリンのラグタイム・ワルツ「Bethena」なのです この曲は映画の最後まで、 ストーリー上も重要な役割を担っています。 その他「Baisin Street Blues」「Billy Baily」「I Could be with you」など、 ニューオーリンズジャズもたくさん。 音楽が時代の経過を表すものとして、 綿密に計算して使われています。 それは調度品や服装も同じ。 本当に凝っています。

ストーリーはフィッツジェラルド原作で、 老人として生まれた男が、 80歳で人生を終えるまでに、 どんどん若返っていくというシュールなものですが、 この信じられない設定が全く荒唐無稽でなく、 それどころかリアリティーをもって迫ってくる、 ヒューマン・ストーリーです。

「Bethena」がメジャーに脚光を浴びた映画として、 私には記念碑的存在となるでしょう。 しかしラグタイムに特に興味がなくても、 心から感動できる映画だと思います 若返った主演のブラッド・ピットが、 ジェームス・ディーンのようにかっこいいオニイチャンになるのも、 見もの。

なお、2枚組みのサントラCDには、 ベシーナが収録されています。 http://www.universal-music.co.jp/jazz/compilation/benjamin_button/index.html

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「ゴリウォーグ」という用語

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サッチャー元英首相の娘(55歳)が、差別発言でBBC番組降板というニュースがありました。
アフリカ系のスポーツ選手に関して「ゴリウォーグ」という表現を使ったとのことで、問題になったそうです。番組終了後のプライベートな発言で、オンエアはされてないそうですが。

「ゴリウォーグ」という言葉、 現在のイギリスでは差別用語らしい……。
これは知りませんでした。

そもそもが19世紀末のイギリスの絵本の主人公の名前で、
黒い肌のラグ・ドール(ボロキレ人形)の名前。
ドビュッシーの「ゴリウォーグのケーク・ウォーク」という曲でも知られていますが、
ドビュッシーは、この絵本の主人公をモデルに曲を作りました。

シリーズ絵本のヒット以来、関連グッズが多数作られ、
今では、コレクターズアイテムにもなっています。
つい先日も、写真の本を求めたばかり。
クマのプーさん、ラガディ・アン、テディ・ベアとともに、
ゴリウォーグのさまざまなグッズが載っています。
意外だったのは、この本で一番ページが多く割かれているのが、
ゴリウォーグだということ。

本を眺めていると、日本人である私は、
ただただ微笑ましいだけですが、
もしかしてアフリカ人やアフリカ系の人が見ると、
違う感情を抱くのだろうか……?
そうなのかもしれません。

ゴリウォーグ人気は1960年代がピークだそうで、
その一方1950年代からこの言葉が、
アフリカ系の人を指す人種差別用語に使われ始めたとのこと。
そうだったんだ……。
http://en.wikipedia.org/wiki/Golliwogg

こんな様子だと、
ドビュッシーの「ゴリウォーグのケーク・ウォーク」は、
イギリスでは普通に演奏されているのだろうか?
微妙に避けられたりしていないだろうか?

どんな肌の色の人も宗教の人も、
笑顔で人類の過去の遺産を一緒に楽しめる時代が来てほしい。
それを願ってラグタイムやケーク・ウォークを弾いていきたいものです。

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